幻のとりそば、ついに喰らう

幻のとりそば、ついに喰らう

「思い込み」は実に恐ろしい。「こうだ」と脳が思い込んだら、現にあるものすら見えなくなる。山形県真室川町である。小さな商店街の趣が気に入り、これまでに4~5回は来たことがあると思う。その商店街に「そば屋」さんがある。「とりそばうどん」、「和風とりラーメン」と張り紙がしてある。それでも正直なところ、店の雰囲気として営業しているような気配を感じない。きっと閉店したのだろうと思いつつ、気になって来るたびに様子を見に行った。今にして思えば、思えばというか過去写真で確認してみると、店の暖簾は扉の外に掛けられていることもあれば、扉の内側に仕舞われていることもあった。扉の外に掛けられている??。そうなのである。確かに掛けられている過去写真があった。この日も暖簾が掛けられている。一瞬見落としたが、何かの違和感を覚え、店先を凝視す...幻のとりそば、ついに喰らう