すみれの魔法にかかる

すみれの魔法にかかる

もう10年ぐらい前でしょうか。「すみれノオト」という装丁の美しい本を読みました。23歳で夭逝した松田瓊子の作品集で、上皇后美智子さまが女学生時代に愛読されていたと知り、興味をもちました。 すみれが好きで、自らも「すみれ」という短編を書いた松田瓊子。清楚で、おだやかで、瑞々しい文章。それでいて凛とした強さをもつ松田瓊子の世界は、どこかすみれの花に重なります。 すみれはその可憐な姿からは想像もできないほどたくましく、生命力が強いと言われます。コンクリートの隙間から愛らしく顔を出していることもありますよね。 なぜ、急にすみれの話? 実はうちの庭になんとも愛らしい、ちっちゃなすみれが咲いていたのです。…